帰ってきてから勉強に集中できないことが多いのですが、何とかなりませんかね。
「疲労」と「学習」の兼ね合いについては誰もが悩むところだね。
では、その対策を今回は伝授しましょう。
勉強前のミニ・ナップ
学校や職場から帰宅した直後に「強い眠気」を感じて勉強に集中できないという悩みを持つ方は多くいます。
帰宅時にはすでに半日は戦った後なので仕方ないかもしれません。
そんな症状を感じたことがある人にお勧めしたいのが、「ミニ・ナップ」と呼ばれる仮眠法です。
「ミニ・ナップ」とは、タイマーを設定して10分間程度の短い仮眠をとる手法です。
たった10分間の仮眠で効果があるのかと最初私も疑問に思いました。
実は、フリンダース大学の研究でわずか10分間の仮眠をとるだけで覚醒度と認知機能のパフォーマンスの向上が期待できることが分かっています。
疲れていると、どうしても長めの仮眠を取りたくなってしまいますが、逆に長い仮眠は夜の睡眠の質に悪影響をもたらす危険性があります。
負のループにつながってしまうことも危惧されるため、帰宅後のミニ・ナップは10分までに抑えておくのが良いでしょう。
仮眠と聞いてしっかり寝なければと意識してしまう人も多くいるのですが、目をつむるだけでも効果を発揮することが分かっています。
睡眠を挟むと頭がさえわたりますよね!!
あれですね!!
寝すぎ防止のため、タイマーは必ず用意してくださいね。
好きな音楽を聴く
疲れていて勉強に取り掛かれないときは、好きな音楽を聴いてから勉強を開始すると簡単に勉強をスタートさせることができます。
マギル大学の研究で好きな音楽を聴くと脳内からドーパミンが放出されやる気が起きやすくなることが判明しています。
一方で、ウェールズ大学の研究では勉強中に音楽を聴くと、認知機能が50%も低下するということが判明しているので、勉強開始前までには切り替えられると良いでしょう。
そのため、一曲ないしは二曲を聞いたら切り替えるという縛りを科すことがおススメです。
音楽で疲れている脳をだますみたいな感じですかね。
脳をだますという表現とても的確です。
案外私たちの施行って単純なんですよ(笑)
疲れていてもできる勉強をする
あなたは、疲れているにもかかわらず数学の応用問題のような複雑な問題に挑戦しようとしたことはありませんか。
実は、疲れているときは思考力が伴うような作業は向いていません。
疲労と学習にうまく折り合いをつけるためには、疲れているときでもできる勉強をするのが効率的です。
具体的には、英単語暗記、漢字暗記などの単純作業であれば疲れていても勉強が捗りやすいとされています。
特に、暗記作業は寝る直前にやることで真価を発揮します。
脳は睡眠中に記憶を定着させるため、寝る直前に覚えた情報ほど残りやすくなるのです。
そのため、朝は思考力を使う科目、夜は暗記などの単純作業といった要領で取り組むのが良いでしょう。
おススメは、朝に理系科目や国語や英語の文章読解、夜に社会や理科の暗記科目に加え英単語や漢字暗記に取り組むことです。
夜に限って、計算問題とかに着手する傾向があったかもしれません。
勉強の向き不向きやタイミングを見極めていきましょう。
あらかじめ勉強内容を決めておく
脳がつかれていると決断力が著しく低下してしまいます。
そのため、これからどの教化を勉強するのかすら判断するのが難しくなってしまいます。
私が教えていた生徒は、この悪循環にはまったせいか毎回同じ教科をやろうとしていました。
その結果、自分の得意科目ばかりに集中してしまい、苦手科目が伸び悩むという傾向にありました。
もし、何に着手するか悩むのであれば「夜は必ず英単語暗記をする」など選択肢をあらかじめ一つに絞った方が無駄な決断エネルギーを割かずに勉強することができます。
あらかじめやる内容を決めておくと、気持ちも楽になりますね。
疲れているときの決断は良いものにはならないことを覚えておきましょう。
1%ルールを用いる
1%ルールとは、1分でも1秒でもよいのでまずは取り組んでみるという手法です。
実は、なかなか勉強をスタートさせることができない人の大半は、「勉強するなら○○時間くらいはやらないと…」のように勉強を大げさに捉えがちです。
しかし、疲労がたまった状態から長時間勉強をするというのは、なかなかにハードルが高いため、始める前にあきらめてしまいます。
そのため、まずは英単語を一つ覚えるくらいの低いハードルを目標に取り組んでみるのが良いでしょう。
ハードルをとにかく低くしてまず取り掛かってみるというのが1%ルールの狙いです。
ちょっとのつもりで始めた掃除がいつの間にか大掃除になっていたという経験はありませんか。
あの感覚を勉強にも応用してみるのです。
作業に取り掛かると脳の側坐核からドーパミンが分泌され、勝手にやる気がみなぎってきます(作業興奮)。
その結果、少しのつもりだった勉強が長続きするという不思議な現象が起こります。
1分でも1秒でも・・・って考え方をしたことがなかったので思わず笑ってしまいました。
極端な考え方かもしれないけど、それくらいハードルを低くしてあげた方が取り掛かりやすいよね。
軽い運動をする
脳が疲労していると、机にはなんとか向かうことができたけど勉強には全く身が入らないということがしばしば起こります。
そんな時にはあえて5分程度の運動をすることがおススメです。
疲労感があるのに運動なんてしたら疲れが増すだけだと感じる方もいると思います。
しかし、運動には脳疲労を回復させる効果が認められています。
特に日中にも机に向かい勉強していたという方の場合は、全身の血流が滞り脳機能までも低下している恐れがあるでしょう。
そんな時、軽い運動をすることで血行を良くしてあげると、再び高い集中を維持しやすくなります。
この際の運動は、近くの公園やコンビニに散歩してみることやラジオ体操、軽い筋トレでも構いません。
また、運動をすることで意欲を高めるドーパミンが分泌されることも分かっているので勉強へのやる気も自然と湧いてくるでしょう。
まさに一石二鳥の手法と言えるでしょう。
疲れているときに運動しようという気になるかが問題ですね。
肩を伸ばすくらいの動作から始めてみましょうか。
場所を変えて勉強に取り組む
学校や仕事から帰宅すると、家ではぼーっとしてしまいだらだらと過ごしてしまいがちという方は多いのではないでしょうか。
そんな方は、帰宅途中のカフェや図書館などの勉強できる場所に立ち寄るようにすると勉強が捗りやすくなります。
自宅には誘惑が無数に存在しています。
あなたの部屋の周りを見回してみても多くのものがあるのではないでしょうか。
疲れていれば疲れているほど、人は誘惑に弱くなっていきます。
一方で、カフェや図書館であれば誘惑がほとんど存在しないので、たとえ疲れていたとしても勉強に集中できます。
勉強するという選択肢しか存在しないため誘惑に負けることがないのです。
そのため、勉強時間をしっかりと確保できるでしょう。
誘惑に勝てない理由がなんとなくわかった気がします。
誘惑とは戦わない方法を探すのが、最適解だったんだね。
生活習慣を見直す
前項までに紹介してきた方法を駆使しても、夜に脳が全く働かなくなってしまうという方は存在するでしょう。
そんな方は、夜に頑張ろうとすることがそもそも向いていないのかもしれません。
その場合は、今の自分の生活習慣を一から見直す必要があるでしょう。
例えば、6時間睡眠を14日間続けると、私たちの認知機能は48時間徹夜した時と同程度まで低下することが分かっています。
そのため、7時間以上の睡眠時間は確保することが必須と言えます。
他にも、夕食にご飯やパンなどの糖質をおなか一杯食べてしまうと血糖値が急上昇してしまい、眠気やだるさの原因になってしまいます。
食事では、腹8分目程度を目安に抑えることが有効な対策となります。
また、筑波大学の研究では、日中に最大酸素摂取量の60%の強度の運動(早歩き程度)を行うことで睡眠の質が向上し、全体的な睡眠時間が短縮できる可能性があることが示唆されています。
さらに、テキサス大学の研究で就寝1~2時間前に40度~42.5度の暑めのお風呂に10分間つかるだけで、眠りにつくまでの時間が36%も早くなり、睡眠の全体の質が格段に向上したことが判明しています。
このように生活習慣に気を付ければ疲労困憊過ぎて集中できないという状態を回避することができるます。
生活習慣を見直すことは王道にして最強の対策と言えるでしょう。
自分が朝方なのか夜型なのかも知っておく必要がありそうですね。
自分が戦いやすい環境を見つけ、そこで自分を高めていきましょう。
参考文献
・https://www.youtube.com/watch?v=E4RVNRihuBI&list=WL&index=1
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