勉強の効率を悪くする「最悪習慣」
【2014年】、日本全国の小中学生を持つ親600人に対し、子供の成績が伸びない理由を聞いたところ、『要領が悪い』が「39.8%」、『勉強方法が分からない』が「38.8%」になりました。
勉強のやり方が成績の伸びに大きく関わるのは事実です。
そこで、今回はそんな勉強の中でもやってはいけない勉強法に着目して記事を書き進めていきます。
極論を言うなら、勉強法は人それぞれです。
ですが、避けるべき勉強法は多々あります。
そんな勉強法の地雷を避けつつ、自分に合った勉強法を見つける一助に慣れたらと思うばかりです。
やってはいけない勉強法4選
やってはいけない勉強法① テキストに線を引く
線を引くことで、内容を覚えられる、後で読み返すときに重要なポイントが分かるという理由があります。
この手法を使ってきた方はたくさんいるでしょう。
しかし、この勉強法は実はあまり効果的ではありません。
「文字を読むだけ」、「自由に線を引きながら読む」、「既に線が引かれたものを読む」という3つの勉強法を比較した研究では、線を引いても成績は向上しないことが判明しました。
むしろ、線を引くことで学習の妨げになると言う研究結果もあります。
理由の一つとして、一つの単語や文章を強調することによってその部分にだけ目がいってしまい、結果として線を引かなかった部分の学習がおろそかになってしまうと考えられています。
また、ケント州立大学で記憶や学習に関する研究をするキャサリンボーソン氏も線を引く勉強法に否定的です。
理由としては、『どこが重要で線を引くべきかを理解している人は少ない。後で、テキストを読み返すときに便利といってもテキストを読み返す勉強法が効果的ではない』といったことが述べられています。
やってはいけない勉強法② テキストを何度も読み返す
テキストを何度も読み返すのは基本中の基本であるかのように感じますが、実はあまり良い勉強法とは言えません。
2009年のワシントン大学の研究ではテキストを一回だけ読むグループと、2回読むグループを比較すると、テストの結果にほとんど差はありませんでした。
多くの人はテキストを読む回数が増えるにつれ、ここは覚えている、この部分は飛ばそうといったように大雑把になる傾向があることが一つの原因として考えられています。
そして、テキストを読み返すことによって覚えた気になってしまうことも問題として挙げられています。
これは先程挙げた「線を引く」ことにおいても同様です。
さらに、テキストを読み返すことは受け身な勉強法とも言われます。
やってはいけない勉強法③ 暗記物を書いて覚える
よく使われる暗記方法には、「書いて覚える」「暗唱して覚える」の二種類が良くあげられます。
※覚えた内容を、目をつぶるなどして読み上げることが暗唱なので、音読とは少し違います。
効率を考えるなら、暗記する時は「書いて覚える」という手法は使ってはいけません。
暗記するメカニズムにおいて必ずやらなくてはいけないのは、覚えた内容を思い出す「想起」ということです。
この早期回数がどれだけ多いくすることができるのかが暗記に繋がってきます。
ある事柄が思い出せずイライラしたという経験は、誰しもが一度はあるのではないでしょうか。
そして、それを乗り越えて思い出したということも中にはあったはずです。
「何だっけ、思い出せない……あっ思い出した!!」と言う具合です。
これを「アハ体験」と言うように呼ぶこともあるようです。
そして、この「アハ体験」は記憶に深く残ることが分かっています。
また、勉強に関して言えばこの想起回数が多ければ多いほど、質の良い暗記に繋がっていくということが科学的にも証明されています。
それらを鑑みた時に、書いて覚えるという行為はとても効率が悪いと言えます。
例えば、英単語を覚える時に「difficult」という単語を書いて覚えるなら「5秒」程度の時間を費やします。
しかし、暗唱する場合なら同じ時間で5回は暗唱することが可能です。
また、一つの単語でそのような時間コストが掛かっているため覚える単語数が増えるにつれて暗記の効率は悪くなっていきます。
スペルを覚えるという意味もあるかもしれませんが筆者は、1回書いて覚えるよりもその分、何度も暗唱して覚えたほうが反復回数が多い分、記憶には残るものと思います。
つまり、「5」の時間を使って「5」というパフォーマンスを出す書いて覚えることよりも、「1」の時間を使って「4」というパフォーマンスを出す暗唱の方が暗記において圧倒的に効率が良いと言えます。
コスト(時間) | パフォーマンス(質) | 結果(同じ5と言う時間を使った場合) | |
書く | 5 | 5 | 5 |
暗唱 | 1 | 4 | 20(4×5) |
やってはいけない勉強法④ 音楽を聞きながら勉強する
音楽を聞かずに勉強するほうが効率的なことも研究から判明しています。
2007年に、グラスゴカルドニアン大学の研究では以下の4パターンでの比較により勉強効率の総関係が調べられました。
1.テンポの速い曲が流れている」
2.「ゆったりとした曲が流れている」
3.「環境音が流れている」
4.「完全な無音」
研究の結果、「1<2<3<4」という結果になりました。
これは音楽を聴きながら勉強するという行為が、「音楽を聞く」と「勉強する」という複数のことを行うマルチタスクになってしまうことが原因だと考えられています。
勉強はなるべく静かな環境に身を置いてやることが良いと言えそうです。
学校でおススメされた勉強法も中にはあります。
けど、記憶への定着や効率を考えた時は避けるべきなんですね。
教わったやり方を考えずに行うのは、危険と言えるね。
勉強に限らず、考えながら動くことは習慣づけるべきだね!!
勉強効率を下げる最悪習慣 4選
勉強効率を下げる最悪習慣① インプットの時間が圧倒的に長い
しっかり情報を自分のものにするためには、書いたり話したりするようなアウトプットが欠かせません。
脳が記憶として定着させたいのは、これから使っていくであろう情報です。
つまり、インプットされた情報よりアウトプットしていく情報の方が脳はより重要なものであると認識すると言えます。
そのため、インプットよりも、問題集を解いたり、人に話したりする知識を使うという行為を積極的にしていくことが望ましいです。
コロンビア大学の研究によると、インプットとアウトプットの黄金比は、「3:7」と判明しています。
勉強効率を下げる最悪習慣② 早朝に暗記モノに取り組む
朝は、数学の問題の演習であったり、前日の復習を行うのに適しています。
それに対して、暗記に最適な時間が就寝前の時間です。
ある実験によると、語学の勉強をした後にすぐテストするグループと睡眠をとってからテストをしたグループでは後者の方が成績が上がったという結果が出ています。
睡眠には脳に蓄えた知識を整理整頓して使える情報にするという役割があるので知識の質が変わると推測されます。
そのため、勉強法のリズムを考えるならば、就寝前に暗記に取り組み、起きてから確認するのが最高だと言えます。
勉強効率を下げる最悪習慣③ 眠気を我慢する
睡眠不足になると、認知機能が著しく低下し、それに伴って勉強効率が低下することが分かっています。
エナジードリンクなども睡眠の質を低下させる傾向にあるので、飲むことは避けるべきでしょう。
つまり、夜は出来るだけしっかり睡眠を摂るのが好ましいと言えます。
日中に眠気が伴う場合は、積極的に仮眠を挟んで眠気にうまく対処するのが良いでしょう。
NASAの研究でも、26分の仮眠を取ることによってパイロットの能力が「34%」向上するという研究結果があるほか、カリフォルニア大学の研究でも1時間半の昼寝をしたグループは、しなかったグループに比べて認知機能が向上したという研究が得られています。
また、眠らなくとも目を閉じるだけでも効果があることも分かっています。
※長すぎる昼寝は、夜の睡眠の質を下げるので控えましょう
認知機能が向上する理由として、記憶の定着は休憩している時に行われることが考えられています。
そのため、休憩や仮眠は積極的にとっていくべきとでしょう。
勉強効率を下げる最悪習慣④ スマートフォンを近くに置いておく
スマートフォンが近くにあると分かっているだけでも作業効率が低下するということが分かっています。
カリフォルニア大学の被験者800人を対象にした研究では、認知機能を行う際に下記の3パターンのグループに分けました。
1.「スマートフォンを目の前に置くグループ」
2.「ポケットかバックにしまうグループ」
3.「別の部屋に置いておくグループ」
この時は、どのパターンでもスマートフォンの電源は切っておきました。
その結果、認知機能の結果で最高の結果を出したのは、
3>2>1
となりました。
つまり、電源がOFFだったとしてもスマートフォンがそばにあるということが認知機能に大きな影響があったと言えます。
さらに、睡眠不足と同程度の認知機能の低下を起こしたことも分かっています。
そのため、勉強する際はスマートフォンはできるだけ遠ざけるようにした方が良いでしょう。
どれも僕がやりがちな行動です。
改めるようにします。
知らず知らずのうちに、効率が下がっていたらもったいないよね。
今、知れたことに感謝しよう!!
頭が悪くなる最悪習慣 4選
身体に老廃物がたまると、様々な悪影響を及ぼすと言われています。
もちろん、脳も例外ではありません。
脳のごみ 「βアミロイド」とは!?
脳のごみとは、「βアミロイド」と呼ばれる物質です。
「βアミロイド」が脳内にたまることで認知症が発生リスクは高まると言われています。
認知症は関係ないと思う若い人も多い一方で、【2015年】、ノースウェスタン大学の研究によると、どんな若者の脳にも「βアミロイド」が蓄積されていることが分かりました。
「βアミロイド」が脳内に分泌されると、脳の神経細胞が破壊されます。
さらには、記憶をつかさどる脳の海馬と言う部位の働きも低下することが知られています。
また、学習に深い関係がある神経伝達物質の「アセチルコリン」が減少してしまうことも分かっています。
どんなに若い人でも脳にゴミをためる悪習慣は断ち切っておくべきといえるでしょう。
頭が悪くなる最悪習慣① 間違った歯磨き
脳のごみとされる「βアミロイド」は、「歯周病」と関係があると言われます。
理由として、「歯周病」の毒素が血管を通じて脳内に到達して「βアミロイド」を増加させていると考えられています。
2018年、スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究でも、認知機能が低下している人もしくは、アルツハイマー病の人は、認知機能が通常の人と比べ「歯周病」の兆候率が5倍以上でした。
また、「歯周病」の毒素が「βアミロイド」を増やすことがマウスの実験で解明されています。
つまり、「βアミロイド」を溜めないためには「歯周病」にならないように注意する必要があると言えるわけです。
頭が悪くなる最悪習慣② 糖質過多
甘い食べ物や飲み物ばかり口にするのも脳にゴミがたまりやすい悪習慣の一つです。
九州大学の15年間にわたる追跡調査でも糖尿病患者のアルツハイマー病の発症率は、糖尿病でない人の2倍に上ることが分かっています。
血糖値が高くなったときは通常、膵臓からインスリンが分泌されます。
実は、このインスリンを分解する酵素は、同時に「βアミロイド」を分解する働きも担っています。
だから、甘いものを食べ血糖値が上がってしまうと、インスリンが血糖値を下げることばかりに使われてしまい、「βアミロイド」の分解に使われなくなることで脳にゴミがたまりやすくなるというわけです。
糖質制限までする必要はないが、過度に甘い食べ物や飲み物を取り過ぎるのは止めるべきと言えるでしょう。
頭が悪くなる最悪習慣③ 質の悪い睡眠
睡眠の質が悪いと脳のごみがたまりやすくなることも分かっています。
アメリカのロチェスター大学の研究によると、身体の老廃物がリンパ系システムで処理されるように、脳の老廃物を処理するグリンパティックシステムというものが存在します。
脳内では神経細胞やグリア細胞が存在し、間に脳脊髄液が流れています。
睡眠中は、グリア細胞が縮んで隙間が出来ることによって老廃物を回収した脳脊髄液が脳外へと排出されます。
つまり、睡眠が不足すると日中たまった老廃物が脳から排出されなくなってしまいます。
そのため、睡眠を十分とることはとても重要です。
長すぎると、逆に睡眠の質が下がってしまうとも言われるので、人にも依りますが、一日の睡眠時間は「6時間」から「9時間以内」に収めると質の高い睡眠が摂りやすいでしょう。
頭が悪くなる最悪習慣④ 徹夜をする
カリフォルニア大学の研究では、一晩の睡眠不足でも、不安レベルが前日に比較して「30%」上昇し、感情の制御を司る前頭葉の働きも低下していることが分かりました。
つまり、物事に不安を感じやすくなったり集中力が欠けてしまうので徹夜での勉強は避ける必要があると言えます。
ペンシルベニア大学の研究では、睡眠不足によって傷ついた脳はその後、三日間にわたって集中力が標準レベルまで回復しないことが分かっています。
例えば、試験初日の前日に徹夜してしまったらその後どれだけ寝ようとも、試験最終日までは集中力が低下した状態で望まなければならないことになります。
そのくらい徹夜と言うのは脳に深刻なダメージを与えることを覚えておきましょう。
頭が悪くなるだけでなく、これらは体調も壊してしまいそうですね。
まずは何よりも、健康を気遣うことが大切ということだね。
参考URL
・https://www.youtube.com/watch?v=FatUC3RMQZc
・https://www.youtube.com/watch?v=_A1nzMf-jR8
・https://www.youtube.com/watch?v=dyfAqRT2ojQ&list=PLR-Osv_5fxEGHQ1Ua7B_oJ_s_2QLpam7T&index=21
・https://www.youtube.com/watch?v=s4mta7KB7Q0&list=PLR-Osv_5fxEGHQ1Ua7B_oJ_s_2QLpam7T&index=20
・https://www.youtube.com/watch?v=8A7hClSOerE&list=WL&index=2&t=9s
・https://www.youtube.com/watch?v=p60rN9JEapg
・https://academic.oup.com/brain/article/138/6/1722/2847057
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